～名門浜松機関区のEF58～
「いなば・紀伊」は、1往復廃止で余剰になった14系「あさかぜ」を使用し、牽引機には東京機関区ではなく、浜松機関区のEF58が担当しました。これは浜松区のEF58はすべて非P形であるため、20系でのロングラン運用による劣化が少ない事と、浜松区のEF58は東海道・山陽本線での荷物列車の牽引にあたっていたため、運用の面で有利な点などで選定されたものと思われます。
そもそもEF58は旅客列車牽引機として誕生した経緯から貨物列車牽引機として設計されたEF65よりも全界磁定格速度が高く(EF58 68km/h EF65 45km/h)、比較的平坦な東海道本線では旅客列車に必要になる定格出力も満たしていることからEF65と比較しても遜色のない牽引性能を持っているというわけです。
また、浜松区には、元お召し列車牽引専用機関車の60号機が所属しており、度々「いなば・紀伊」の牽引にあたりました。東京口のブルートレインの中で唯一、ヘッドマークを持たないカマではありますが、ロイヤルブラウンのボディーにステンレスの銀色の帯のEF58が牽く「いなば・紀伊」は独特の存在感を醸し出していました。
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