381系誕生秘話~part5~

本日のブログは前回の『381系誕生秘話~part4~』の続きです。

「特急ひばりに振り子式車両導入の計画があった?」

さて、1968年4月の国鉄常務会で発表された在来線列車の限界速度の内容を得て、6月には列車速度調査委員会が新たな速度設定を打ち出します。振子式システムを搭載することにより、最高速度130km/h、曲線制限速度+20km/h、分岐器直線側通過速度130km/hでは、表定速度100km/h超という内容でした。

ただし、これまでの速度設定の概念とは異なり、最高速度を中心に捉えた速度設定ではなく、振子システムによる高速運転時の分岐器の通過速度や曲線での通過速度を向上させ、列車の平均速度を上げるという今までとは視点の異なる構想でした。

国鉄では早々に川崎重工に振子式試験車591系を発注。そして、この591系の設計内容から高速運転時の線路や架線などの軌道に対するダメージの軽減にもかなりの効果があるという判断から、最初の営業運転は架線の損傷やレールの亀裂といったトラブルの多発していた東北本線の特急ひばりを予定していました。

「国鉄初の振子式試験車591系」
試験車としては591系という営業用車両に準拠した形式名が与えられた異例の試験車両。試験終了後に多少の改良を施した後、そのままの形式名で上野-仙台間のひばりに投入する予定だったため正式な形式名が与えられていた。試験車でありながら最初から交直両用、耐寒構造など東北本戦を意識した構造の車両だった。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。つづきます。

  • URLをコピーしました!
目次