出雲路と381系やくも5

食堂車から戻ると列車はちょうど東京駅を滑り出したところで、娘は初めての開放寝台のベッドやベッドカーテン、読書灯に興味を奪われていましたが、有楽町を発車し、並走する山手線に気付いたようです。

時刻が午後7時過ぎと山手線の車内は帰宅のサラリーマンで少々込み合っていて、優雅に過ごす出雲の車内の雰囲気とは対照的で、時折、山手線の乗客と目が合うと目のやり場に困っている娘がいました。これは在来線特急ならではの光景で新幹線では味わう事が出来ないものですね。

また、時には初めて出会った向かいの席の人とビールを呑み交わしたりすることもあった開放B寝台。こうした昔ながらの飲みニケーションも無くなってしまったことに一抹の寂しさを感じます。

この後、娘がトイレに行きたいというので、B寝台御用達の給水器の存在を教えるのに丁度いい機会だと思い、車端部の洗面スペースに案内しました。

この給水器とは飲料用のもので、左右トイレドアに挟まれるように設置されており、折り畳み式の紙コップで飲料するもの。サンライズエクスプレスに乗車する若い女性たちには、トイレ壁面に設置されているため、不衛生に感じられるかもしれませんが、寝台特急が旺盛だったころは、この給水器の存在は致せり尽くせりのサービスでした。

つづく

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