出雲路と381系やくも6

この時期、4本の出雲のうち、この出雲1号だけが伯備線迂回運転をしていました。その理由は山陰本線園部 – 福知山間電化・高速化工事に伴うもので、岡山-米子間の伯備線内ではDD51の重連で中国山地を越えるわけです。

実はこの出雲の伯備線迂回運転が娘が初詣の時、神社で買った絵本に出てくるヤマタノオロチ伝説で有名なスサノオノミコトの日本初の和歌に出てくる「八雲」を娘が知るきっかけになるのでした。

列車は既に伯備線を走行している早朝の事、娘がトイレに行きたいと起こされました。その帰りです。通路に一つだけブラインドが開いている窓があり、その車窓の景色に娘の視線がくぎ付けになっているのです。「パパ!、八雲、八雲!」娘に促されるように窓の外を見ると、太古の出雲を連想させるように山深い中国山地の山々を幾重にも重なった朝霧が包んでいるではありませんか。娘は朝霧を雲ととらえていたようです。

何故、八雲という言葉が和歌に出てくるのか疑問に思っていた娘も、この出雲の車窓からの景色で、あくまでも感覚的ではありますが謎?が解けたようでした。それから彼女はこれをきっかけなのかは解かりませんが、彼女は古代史にはまり続け、
大学も古代史を専攻するまでになっていました。

このような早朝の車窓からの景色は夜行列車ならではのものです。新幹線網が充実した昨今では、失われた車窓の景色なのかもしれません。

続く

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