メイクアップシール「(HO)24系 夢空間 3両セット」詳報4~オロネ25

メイクアップシール「(HO)24系 夢空間」~オロネ25-901~

今回のブログは「夢空間」オロネ25-901の詳報ですが、始めにオリエントエクスプレスの話から触れたいと思います。

夢空間のデビュー前、時は1988年。フジテレビの開局30周年を記念した鉄道イベントとして、パリから東京までをオリエント急行がユーラシア大陸を走破し、日本国内の軌道幅に合わせるため台車を履き替えたうえで、ついに10月18日東京駅へと到着しました。

実はこの年の3月、すでに日本初の豪華寝台特急として「北斗星」がデビューしていましたが、北斗星の車両は改造車が中心であり、開発担当者の間では不完全燃焼の思いがあったようです。そうした中、ヨーロッパからやってきたオリエントエクスプレス。

当時、オリエントエクスプレス’88に協賛したJRや車両メーカーの関係者は、特に「北斗星」との差を感じざるを得なかったのではないでしょうか。その豪華さはもちろんのこと、個室寝台の広さからくるゆとりの相違は大きく、このイベントをきっかけにして、「オリエントエクスプレスにも負けない豪華寝台を!」という機運も高まったはずです。

そう考えると、実は「夢空間」誕生のきっかけの1つは、オリエントエクスプレス’88だというのもあながち言い過ぎではないでしょう。ちなみにKATOからは「オリエントエクスプレス’88」が製品化されました。

さて、「夢空間」のオロネ25との比較として、「北斗星」の個室寝台を少しご紹介します。

「北斗星」オロネ25通路側

「北斗星」オロネ25個室側

「北斗星」オロネ25

上記の画像は北斗星のデラックスツインです。1両に8室のツインルームを配置したため、その広さは狭く、ベットは2段ベットにせざるを得ず、オロハネの1人用個室のロイヤルに完備のロイヤル専用シャワールームもありません。

「北斗星」オロハネ24

また、オロハネのロイヤルも専用シャワールームを完備するだけでなく、ドライヤーまで完備する点では、評価出来るものの、やはり、その狭さが目立ち、ゆったりとした旅の空間演出には狭すぎますね。

おそらく、そんな反省点を踏まえて誕生したのが「夢空間」オロネ25-900。個室のゆとりある広さを確保するために1両に3室という部屋数に抑え、特にリビングゾーンの広さは2人がけのソファーを配置し、ゆったり感を演出しています。

さて、大変お待たせいたしました。前置きが長くなりましたが、ここからはオロネ25-901のメイクアップシールの解説になります。

オロネ25-901通路側(シール未貼付)

オロネ25-901通路側(シール再現済み)

オロネ25-901個室側(シール未貼付)

オロネ25-901個室側(シール再現済み)

通路側です。特に通路側の壁面は構造がシンプルなので、見た目がフラットになりやすいので各パーツのグラデーション化には気を使いました。

スーペリアツインルームです。ここでは、壁面・ドア・AVコンソーラー・テーブル等の木目調のトーンを敢えて変えることでそれぞれの配置位置の違いによる遠近感を演出しました。

スーペリアツインルーム壁面・ベッドのデータ画像

また、夢空間の個室が持つ高級感を損なわないように、カーペットは単色によるベタ塗りではなく、柄を入れることでカーペットらしく見えるようにデザインしています。

カーペット及びAVコンソーラーのデータ拡大画像

ちなみにAVコンソーラーには衛星放送が受信可能なBSチューナー・BGMシステムが装備されていますが、このほかにもVHSビデオとカセットテーププレーヤーまでも装備されていたのが興味深いところです。シールのデザインにもVHSビデオとカセットテーププレーヤーは再現されています。

エクセレントスイートルームです。スーペリアツインとの違いはリビングと寝室に分けられているところにあります。

エクセレントスイートルーム(シール未貼付)

エクセレントスイートルーム(シール再現済み)

シールのデザインコンセプトはスーペリアツインと同じですが、リビング側の壁面のトーンとソファーの色味が近いことから、ソファーが壁面に溶け込まないように注意した配色を心掛けました。

エクセレントスイートルーム壁面のデータ画像

一方、寝室側はベッドカバーの植物柄が浮き出過ぎてしまうと高級感を損ねてしまうため、慎重に不透明度を調整し、シックな雰囲気となるよう意識してデザインを行いました。

テーブル・ソファ、カーペット、AVコンソーラー及びベッドのデータ拡大画像

オロネ25では各個室のブラウン管テレビ、寝具浴衣とベッドの枕、さらにエクセレントスイートでは入口ドア左手の黄色のパーテーションを再現いただくことができます。ちなみにブラウン管テレビがテーブル台からはみ出してしまっているのも実車通りの再現です。恐らく発注したテレビが思っていたよりも大きかったのでしょう。

個室側の壁面、及びカーテンパーツ用のシールも付属しています。

個室側にはフィルムシールで壁面を再現し、マットシールで模型の成形に合わせたカーテンを再現することが出来ます。カーテンはエクセレントスイートがピンク色、スーペリアツイン側は緑色と色を違えています。特にカーテンの“ひだ”にもご注目ください。

エクセレントスイートのカーテン再現

スーペリアツインのカーテン再現

オロネ25個室側の窓にはカーテンもあり、思ったよりも車内が見えませんが、ちょうどブラウン管テレビが良く見えます。

いかがでしたでしょうか。オリエント・エクスプレス’88から始まり、「北斗星」の個室との違いを踏まえつつ「夢空間」の寝台個室を見てみると、夢空間はまさに最高クラスの寝台列車でした。

これまで夢空間の3両、オシ25-901、オハフ25-901、オロネ25-901の詳報を順にお届けしてきました。

メイクアップシール「(HO)24系 夢空間 3両セット」は、メイクアップシールOnlineShopにて好評発売中です。
「(HO)24系 夢空間 3両セット」購入ページ>>

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

  • URLをコピーしました!
目次