メイクアップシール「35系4000番台SLやまぐち号」詳報3

前回の通信ではメイクアップシール「35系4000番台SLやまぐち号5両セット」から、1号車オロテ35、2号車スハ35について紹介しましたが、今回は残りの3号車ナハ35および5号車スハテ35の詳報をお届けします。

各車両それぞれに特徴のある「SLやまぐち号」ですが、3号車のナハ35は展示ブースや運転シミュレーターの再現などシール製作でも実車の再現性に力を入れた車両となっています。今回が「SLやまぐち号」最後の詳報となりますが、ぜひ最後までご覧ください。それでは早速、3号車ナハ35からご紹介します。

3号車ナハ35(シール未貼付)

ナハ35は車両の半分が客室で、もう半分がフリースペースになっています。模型成形の客室部分は2号車スハ35や4号車オハ35と共通です。もう一方のフリースペースの方はというと客室側へとつながる曲面を帯びた壁面に運転シミュレーター、投炭ゲームエリアに展示ブースの台までしっかりと成形しています。

模型の内装を確認するまでは、正直もっとシンプルな成形かなと思っていたのですが、予想以上に実車の内装が忠実に再現されており、その分だけシール化しやすかったように思います。また、室内灯の位置と重なってしまっていますが、車端には売店があり、こちらもデザインしています。

3号車ナハ35(シール再現済み)

客室スペースについてはデザイン等、2号車スハ35と共通ですので、ご覧になられていない方は前回の詳報2も併せてご覧ください。

運転シミュレーター部分はブレーキ弁、ハンドル、焚口戸から圧力計、バルブにいたるまで細くデザイン。シール化した際の配置や全体的に黒い色の中で如何に実物に即しながら違和感がでないよう立体感を出せるかと、デザイナーが丸1日以上かけて緻密に再現しました。

S字型にカーブした壁面や運転シミュレーター後ろの仕切りはフィルムシールで再現していますが、模型の形状故にシールが浮き上がってきやすいので、接着剤等を併用してシールをしっかりと貼ることをおすすめします。

展示スペースは以前シール化した「SL人吉」に続いての再現です。ショーケースには蒸気機関車ゆかりの品々やヘッドマークなども飾られ、SLやまぐちの歴史についても学ぶことが出来ます。蒸気機関の仕組みを学べる模型や解説部分はプラバン加工で再現しています。

この展示ブース後ろ側の窓ガラスには模型のオプションで鎧戸がはめ込まれていますが、もちろん干渉する事のないように設計してあります。ちなみに展示ブース上側の解説部分。本当は右側に歴史(あゆみ)を説明した部分もあるのですが、縮尺の関係からやまぐち号の「路線」部分のみのシール化となりました。

展示ブースの前には投炭ゲームのエリアもあります。ディスプレイの画面はオープニング画面を採用。実際のプレイ中の投炭シーンを採用する案もありましたが、まわりの黒い部分とのメリハリの兼ね合いから青空に線路の描かれたオープニング映像をデザインしました。尚、ディスプレイ画面の上側には人の動きを認識するセンサー。右側には投炭用のスコップも描いてあります。

車端に設けられている旅の思い出の品を買える意外と色合いがポップな感じとなった売店コーナーの背面もプラバンで再現。室内灯を取り付けた際に干渉しないよう高さが低くなっています。

実車の運行ではあり得ませんが、模型ならではの表現として鎧戸を外し車内を見せるという再現もできます。
上画像の左側は模型の窓ガラスに取り付けられている木製鎧戸を取り外して車内を撮影したもの。プラバンで再現した展示ブースを見ることができますが、模型成形の一部が窓ガラスから不自然に見えてしまいます。そこで、メイクアップシールの木製鎧戸シールで任意の窓ガラスだけブラインドを下ろしてみました。実車では開けられる事のない鎧戸ですが、ちらりと車内をうかがえるというシチュエーションができるのも模型ならではの楽しみということで。尚、木製鎧戸シールは模型の鎧戸と色味を近づけて再現してありますので、模型の鎧戸と併用いただいてもまったく問題ありません。

運転シミュレーターと売店は鎧戸に遮られることなくそのまま視認することができます。下写真3号車の鎧戸は付属のシールではなく模型純正パーツです。

さて、ここからは5号車スハテ35についてのご紹介。

5号車スハテ35(シール未貼付)

モデル車両となったオハ 31 系には無かった展望デッキが設置された新形式の車両です。しかし、新形式と言いつつも他の1号車から4号車までと比較してもまったく違和感を感じさせないスタイルには驚きを禁じ得ません。しかも1号車オロテ35にあるような展望部分との間仕切りがなく、いきなり客室になるという潔い構造の車両です。

この潔さは車内のボックス座席にまで(?)及んでおり、当時のオハ31系を忠実に再現する為に背ずりはクッションのない木製となっています。メイクアップシールでは座席はマットシールを採用しているため、壁面に採用されている木材の再現とは敢えて色味を違えた再現となっていますが、床板と同様に色味のトーンを持たせることで木材の背ずりを再現しました。

5号車スハテ35(シール再現済み)

SLやまぐち号で唯一のグリーンモケットが採用されていますが、“濃すぎず”しかして、“薄すぎず”という緑色に辿り着くために、数十回にも及ぶテスト印刷を繰り返した上で採用となった緑色です。

また、5号車には車いす対応座席が設置されており、バリアフリー車両となっています。その為、通路や客室ドアも他の号車よりも幅が広くなっているのですが、そうした違いもシール上で再現していますので、シールを貼ったらぜひ他の号車と比較してみてください。

乗降デッキ側には乗務員室のほかにバリアフリー対応の多機能トイレ、多目的室などが設置されています。また、通路の途中には記念のスタンプ台や荷物棚もありますが、そうした部分もしっかりとデザイン。スタンプ台部分にはスタンプの他にリーフレットなどもデザインしています。通路内なのでボディを被せると見えませんが、その前にぜひチェックしてみてください。

今回はメイクアップシール「35系4000番台SLやまぐち号5両セット」最後の詳報ということで、3号車ナハ35、5号車スハテ35の詳報をお届けしました。“レトロ調”ではない本物の旧型客車の復元という難題に対して、現代の最新技術で見事に応えた「35系4000番台SLやまぐち号」。

メイクアップシールでは1号車から5号車まで、それぞれに特徴を持った個性豊かな現代の旧型客車編成がお楽しみいただけます。メイクアップシール「35系4000番台 SLやまぐち号 5両セット」は当店オンラインショップにてお買い求めください。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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