メイクアップシール「283系オーシャンアロー」詳報1

今回からメイクアップシール「283系オーシャンアロー」各車両の詳報を何回かに分けてお届けしていきます。

283系がデビューしてからおよそ28年。本車両のシール化に当たってまず頭を悩ませたのが、何年代頃の車内をシール化するかという事でした。オーシャンアローの運行が開始した1996年から今日に至るまで、国内では東日本大震災や新型コロナウイルスなど、人々の意識に留まらず、ライフスタイルさえ一変せざるを得ない大きな災禍に見舞われてきました。

283系の車内にはこれらの災害に対応するべく、津波の発生が予想される場合の避難用はしごの導入と、それに伴って迅速な非難が出来るよう大きな印刷掲示等が客室やデッキの壁面に貼られています。さらに、コロナ以降には車内の抗ウイルス・抗菌処置済などを示すシールも客室内に貼られるようになりました。283系の車内にはこれらの災禍に対応してきた痕跡がはっきりと車内に表れていたのでした。

ただ、今回は模型のプロトタイプと活躍時期等を検討し、東日本大震災後から新型コロナウイルス感染のパンデミックが起こる前の車内を再現しています。ですので、津波発生に関する印刷物やデッキに置かれている避難用はしごはシールにて再現しましたが、コロナ対応に関する印刷物はシール化を行っていません。

尚、上記の出来事とは別に、時代の変遷とともに撤去された自動販売機や公衆電話については、実際に設置されていた年代問わず、設置中と撤去後の2タイプのシールを製作しましたので、お好みの車内を再現いただけるようになっています。

それでは、ここからはメイクアップシール「283系オーシャンアロー」詳報第1弾として、1号車クロ282と2号車サハ283についてご紹介していきます。

1号車クロ282

オーシャンアローの顔といえばこの車両。イルカをイメージした外観が特徴的な車両です。先頭部分の運転席スペースは「ゆったりやくも」のパノラマグリーンを連想させます。

1号車クロ282(シール未貼付)

1号車クロ282(シール再現済み)

デビュー当初は客室の絨毯に「ocean arrow」と刺繍されていたようですが、シールでは刺繍が施されなくなったクロを再現。

運転台はメーターパネルや計器類やモニター、マスコンを再現しています。また、運転席左側の通信設備やスイッチ類もシール化。運転席の左側の機器類のシール化は、メイクアップシールでも初となります。

尚、先頭部分の未シール化については、ボディに組み合わせた際、シール自体の厚みによって側面の白い部分が窓ガラス越しに見えてしまうと不自然になってしまう可能性を考慮し、意図的にシール化は行わない事としました。また、運転席後方の台については上記の理由から、フィルムシールではなくマットシールで包む形になっています。

ブログの冒頭で述べた津波発生時における注意喚起のシールです。客室では左側のポスターの上に掲示。また、デッキ部分では客室ドアの両側に大々的に貼り出されてられています。足元には避難用はしごもデザインしてありますが、床部分の成形が盛り上がっているため、はしごの半分ほどが欠けることに…

左:公衆電話あり 右:公衆電話撤去

1996年頃はまだまだポケベルやPHSが全盛で、公衆電話も連絡手段として必要不可欠でした。それが昨今の新型車両では各座席にスマホ充電用のコンセントが備え付けられた電車が登場したりと、便利さの面においてもこの30年で大きく様変わりしたことを実感させられます。シールは公衆電話あり、もしくは撤去後どちらかお好みのシールをお使いください。

2号車サハ283

2号車のサハ283は座席のモケットがパープル仕様の生地となっています。

2号車サハ283(シール未貼付)

2号車サハ283(シール再現済み)

海沿いを走る列車に似つかわしく、リゾート感溢れる印象の座席です。

クロ282と同じ津波の発生に関する掲示シール。左側の足元に避難はしごが収納されています。

今回は1号車クロ282、2号車サハ283についてお届けしました。次回は3号車モハ283と4号車サハ283についてご紹介します。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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