連れだって歩く人に、談笑している人達。ビルの前を行き交う人々の向きや流れを意識してフィギュアを配置した夜景シーンをビデオで撮影したところ、光量不足のために下のような映像になってしまいました。
ビデオカメラで撮影した動画データの切り抜き
夜のシーンに違いありませんが、これでは暗すぎてフィギュアから人間ドラマが伝わってきません。暗いのであれば照明機材を使用すればいいのですが、照射範囲が広いために夜景シーンの印象が弱くなりがちです。また、実際の撮影時はカメラを中心にジオラマの前にいくつもの機材が並んでいる為、物理的にこれ以上は照明機材を追加で配置することが出来ないケースも多々あります。
ちなみに角度は違いますが、同じ場所をカメラの写真で撮影すると下のような画像になります。
カメラで撮影した写真データ
カメラではシャッター速度を調節して露光時間を調整できるので、歩道や車道の部分まで明るく写すことが可能です。それに対して、動画撮影はあくまで今ある光量でしか画像を映すことができません。
こうした時、その光の強さを活かし、スポット的な照明機材の代わりとしてテープLEDが活躍します。
テープLEDを1cm×1cmの角棒に貼りつけます。端には配線コードを半田付けしてあります。
LED側は向こうのビルの方に向けてあるため写真では分かり難いですが、テープLEDを貼り付けた角棒を車道のこちら側に配置しました。尚、高さを調整するために、テープLED角棒の下に同じサイズの角棒を置いてあります。この状態でテープLEDを光らせてビデオカメラで撮影すると…
ビデオカメラで撮影した動画データの切り抜き
1枚目の画像と比較するとビル前の道路部分が明るくなっているので、人物フィギュアもしっかりと視認できる映像になりました。但し、ストラクチャーへのテープLEDの映り込みや、撮影時にはフレームインしないよう画角にも気を配らないといけません。
今回はテープLEDをジオラマに直接使うのではなく、映像の撮影時に照明としても活用できるという事をご紹介しましたが、最後に次の画像をご覧ください。
左:昼白色のテープLED 右:白色のテープLED
左側のテープLEDは昼白色、右側のテープLEDは白色タイプのものです。テープLEDもメーカーや色温度の違いによって色味や光の強さが変わってきますので、撮影前には事前に光の確認作業を行います。
ちなみに、ジオラマのストラクチャーに使っているテープLEDと同じものを照明用に使うと色味が統一されます。イメージや意図の違いによって一概には言えないものの、メーカーから市販されている撮影用の照明機材を使うよりも、場合によっては自然な感じで撮影する事ができるケースもあります。
ビデオ撮影だけではなく写真撮影時にも使えますので、長さの異なるテープLEDを複数用意しておけばジオラマ撮影時の表現の幅も広がります。テープLEDはジオラマ撮影時のお供にもおすすめです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。